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2009年8月

2009年8月 1日 (土)

昨日の剣呑

医者の不養生、紺屋の白袴なんて諺がありますが、それの現代バージョンが、SEO とかインターネットを使った口コミマーケティングなんてことを、したり顔で言ってくる会社です。今日は剣呑話です。

僕のところ(個人アドレス)にやってくるメールの中で、時々笑ってしまうスパムメール(いやまぁ、本来的な意味でのスパムではないのですけれど)で、こんなのがあります。

拝啓。御社のサイトを拝見させていただきました。
弊社は、SEOの専門会社として、長年ノウハウを蓄積し、大手企業様ともむにゃむにゃ。
以下、だらだら。
弊社にお任せいただければ、御社のサイトのアクセス数を飛躍的に高めることが可能です。つきましては、一度、ご説明をさせていただくお時間を頂きたく……

いやいやいや。まず、「御社」じゃないですから。多分、「古典落語ネタ帳」として公開しているものをたどってこられたのでしょうけれど、もしきちんとサイトにお越し頂いたら、

「この Web サイトは、僕の個人的なサイトです。」

と書いているわけで、「御社」じゃないってこと、すぐに分かるはずなんですが……という点では、もう腹が立たなくなりました。SEOで「長年」なんだ~ってのも、腹が立たなくなりました。ドッグイヤーですよね~(は~と)と意地悪な気持ちになるくらいです。

最近は、もっぱら Googleツールバーで相手のサイトのページランクを確認して、性格の悪い僕としては、へーへーへー、SEO 対策専門会社なのに、僕の個人サイトよりも低いんだ~。へ~へ~へ~とメールの文面に向かって大きく頷き、それでもって、当該メールを速攻ごみ箱行きにするくらいです。

実際。

SEO 対策でお金をくれるのは、よほどのとんまだけだと思います。

もちろん、SEO 対策が不要だと言っているわけではありません。僕自身の検索行為で言っても、Google で検索結果として表示されたサイトをクリックするのは1ページ目が中心です。1ページ目で自分の期待したコンテンツにたどり着けない場合は、2ページ目に行くよりも、検索ワードを変更して再度検索することの方が多いです。従って、あるワードで1ページ目以内に入っているかどうかは、企業の宣伝活動として考えた場合、依然として重要な要素だと思います。

ところが。

僕自身の検索行為として書いたことで察しがついた方もいるかもしれませんが、検索結果の1ページ目で登場したとしても、それが自分が目的とする情報ではなかった場合、確かにサイトに1度は訪れてくれるかもしれませんが、でも、訪れた先で2ページ目以降に進んでくれることはまずありません。

今日現在、依然として SEO が云々でお金くださいと言っている人のやり口ってのは、テレビのCMや、新聞・雑誌の広告、さらに言えばポストに入っているピンクチラシで使われているマーケティング手法となんら変わりがないわけです。要するに、

「相手に需要があるかどうかは知らね。露出したもん勝ち」

まー、一応、検索サイト対象なので、ちょっとしたセグメント化はできているのでしょうけれど……。

でもね。

テレビなんかは、いわゆるプッシュ型なんですよ。要するに、「欲したわけじゃないけど、なんだか一方的に届けられた」 ところが、検索サイトでこれをやると「欲したのに、いらない情報が届けられた」となるわけです。プル型のメディアで、これ、まずいんじゃないですか?

現状困っているのは、今時なのに「イヒヒ、SEO ですよ」な素敵提案に引っかかるクライアントのサイトって、訪れたユーザーが必要とする情報がほとんど何もないことの方が多いです。自分のところの商品棚になにもないのに、チラシだけ配って人を集めようとしているケースを多々見受けます。こういう場合、僕としては、

まず、御社の持っている知識や情報。御社の中では当然のことかもしれませんが、世間一般(正確にはその会社の顧客層)の人にとっては、驚くようなことかもしれません。まず、それを探しましょう。そして、できれば定期的に更新できるものを発見し、定期的に更新できる体制を作りましょう。そうやってコンテンツ(ページ)を増やして、かつ、サイト全体の若さを保ちましょう。

こういう感じで提案するのですが、そもそも今時SEOに引っかかる人が相手だと、

「もう充分情報公開している。それなのに人が来ない。これはきっと、テクノロジーが不足しているからだ」

とかたくなに思われているわけで……。とは言いつつ、「違うよ。テクノロジーじゃないよ。あんたところの商品棚に魅力的なもの並んでないんだよ」と直裁的に言うのは、さすがにどうかと思うので(その程度には大人になれた)、なだめたり、すかしたり。

話を元へ。

SEO に関して言えば、従来型の「御社が希望するキーワードで検索された結果、何位以内を実現」ってのは、やっぱりナンセンスだと思います。上記のようにミスマッチが発生するリスクの方が高いから。

例えば、僕の落語サイト。

「正蔵」で検索された方は、がっかりすると思います。例のお兄ちゃんの公演情報とか、一切ありませんから。サイトで掲載しているのは、8代目の正蔵が得意としたお噺です。「正蔵」に限らず、噺家の名前で検索された方にとっては、全く役に立たない情報だと思います。

他方で「ちりとてちん」で検索する方も、やっぱりがっかりすると思います。ドラマのこと、な~んにも書いていませんから。

僕のサイトにたどり着いた方のなかで、なんとか満足していただけるのは、「あの噺、なんだっけ? 正確なタイトルが思い出せない」とか、「タイトルは覚えているけれど、オチ、なんだっけ?」みたいな感じの人だと思います。

もし、僕のサイトでお金儲けをしようとした場合、考えなければいけないのは、

(1) 僕が提供しているものを探している人は、どのようなキーワードで検索しているのか
(2) 僕が提供できる分野で、人々は何を知りたがっているのか

大切なのは、自分の商品棚に並べているものを欲している人が、どのようなキーワードで検索しているか。潜在的な顧客が欲している情報は何か。すでにこちらにシフトしていると僕は考えています。ところが、SEO 会社は全体としての人気キーワードは持っていても、クライアントの具体的なビジネスに関するキーワードは持ち合わせていないことがほとんどです。ましてや、クライアントが展開している商品やサービスにそれほど造詣が深いとは思えないSEO会社にとってみて、どんな情報があれば嬉しいかなんてことは皆目検討もつきません。僕としては、「要するに何も提案できてないよね?」という意地悪な気分になります。

SEO案件に関しては、一通りお話し伺って、相手の話を一通り聞いた後(本気でどーでもいい気分になったときは)、

「御社の Googleのページランク、確認していいですか?」

で終了させるのですが、ここ最近、厄介なのが Twitter 方面です。

Twitter、面白いと思います。ゆるいし。拘束感ないし。僕自身の感覚で言えば、ぼそっと独り言を言ってみる。たまに独り言で波紋が起きたら、ほーほーと思う。かと言って、ブログのようにいつまでも過去の発言に縛られることもなく、どんどん押し流されていく。なので、ぼそっとたまに発言してみる。そんな感じで使っています。

で、その Twitterを使った素敵口コミマーケティングな提案。

ぎゃ!

と思います。あれって、ギークな人向けだよね。それでもって、ギークな人に気づいてもらいたい有名人が利用しているんだよね?

僕自身の今の理解で言えば、Twitter はギーク、もしくはギーク気質のある人が利用しているサービスです。無論、利用者の中にはギークとはかけ離れた人もいるでしょう。でも、そんな人の利用方法は、どっちかってーと一方的に話したい人。フォローされるのはやぶさかではないけれど、自分から積極的にフォローする人ではないはず。

「オバマも……」

うんうん。そりゃ、オバマのTwitterでのつぶやきは聞きたいっすよ。でも、あなたが目の前にしているクライアントから出てくる告知、フォローどれだけつくと思います? つーか、

「目黒に空き物件! 格安!」

みたいな情報を全世界につぶやかせて、なにをどうしたいの? そんなミーティングに付き合わされてイライラ。しかも昨日は7月31日(金曜日)。いろいろと「締切よろしく~」な日。イライラ。ところで、Second Life 万歳とか言ってなかったっけ? とか思うとさらにイライラ。鉄分不足。

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