映画・テレビ

2009年1月14日 (水)

【マスメディア】 TV朝日ウソバスターの釈明の妥当性について

 テレビ朝日の『ウソバスター』の中で

インターネットの情報は嘘が多い

という前提の元、その具体例としてブログの画面を表示し、そこに書かれていることを検証していた件が、 どうもそのブログがテレ朝の

やらせなのでは?

と問題になっていたことについて、テレビ朝日は

「実際にあったブログを元に再現しました!」

という釈明を行いました。

 さて。

 そもそもの疑問点として、

  1. インターネットには正しい情報もある。間違った情報もある。それはインターネット以外でもそうではないか?
  2. 間違った情報だとしても特定のブログを取り上げるのは、おかしいのではないか。間違っている点を本人に伝えずに、 いきなり公衆に伝えるのは人間的にどうなのか?

 第1の点に関して言えば、例えばテレビで毎朝流されている「占い情報」があります。これ、正しいのでしょうか? 論理的に考えれば、 占いが正しいとすれば、誰がどう占っても同じ結果。つまり、どの局の占いも同じになるはずです。しかし、占い師によって結果はまちまちです。 つまり、どれかは正しくて、どれかは間違っていることになります。

 そもそも、テレビを初めとするマスメディアは誤報を伝えたことはないのか? あるいは、昨今よく聞かれる (今回のケースもそうですが)「情報系エンタメですから、必ずしも徹頭徹尾正しいわけではありません。 誤解を与える表現になっている場合もあります」という言い訳を行わざるを得ないようなケースがあるにもかかわらず、

ネットの情報は間違い(が多いような印象を与える)

放送内容は公平なのでしょうか?

 第2の点に関して言えば、間違った情報を掲載しているサイトがあるとしても、それは悪意をもって行っているわけではありません。 場合によっては、ブログの執筆者本人は「正しい」と思っているケースだってあるでしょう。

 少なくとも、誰かを騙すつもりで、悪意を持って(つまり間違った情報を書いていると自覚して) 執筆しているわけではない著者に対して、本人に間違いを指摘するのではなく、いきなり

こいつバカだぜ!

と公共の電波で伝えることは、はたして人間として公平なことでしょうか?

 その上で、テレ朝の言い分(実際のブログを元に状況を再現した)を認めたとしても、 それはそれで次の問題が発生するように僕には思えます。

  1. 間違った情報だとしても、当該ブログの内容は著作物であり、それを模倣する行為は著作権侵害に当たるのではないか?
  2. 間違っていると分かっている情報を社内ネットワークのようなローカルな環境ではなく、インターネットで公開したことは、 まさに間違った情報を伝えることに荷担しているのではないか?

 内容が正しいかどうかは別に、執筆者の「思想又は感情を創作的に表現したもの」は著作物です。テレ朝は自ら「再現した」 と言っていることからも、本来のブログを模倣したわけです。これは充分著作権侵害にあたる行為です。 間違った内容ならコピーしてもOKというのなら、 NG 集はいくらでもコピーして構わないことになるはずですし、誤報だけでなく、 アナウンサーが読み間違えたなんて放送もコピーフリーになりますが、それはテレビ局の本意ではないでしょう。それなのに、 インターネット上の著作物なら、間違った情報だったらコピーフリーと言っているのは、少なくとも僕の感覚では公平ではありません。

 第2の点に関して言えば、再現するのなら、なぜ社内の(もっと言えばローカルな)PC上で再現するのにとどめず、 インターネットで公開してしまったのか大いに疑問があります。この件に関して言えば、かつて同じくテレ朝が、 珊瑚礁がダイバーの落書きによって傷つけられていることを報道するために自分達で珊瑚礁に落書きをした事件があります。そのとき、 テレ朝は問題の行為を反省し、二度とそのような行為を行わないと誓ったのではないか? それにもかかわらず、 同じ行為を繰り返してしまったわけです。どういうことか?

 繰り返しになりますが、今回の騒動でテレ朝の言い分が実際に行われたことの全てだとしても、以前として

  • 著作権侵害
  • 撮影目的による被害の拡大

以上の2点については、なんら弁明になっていないと僕は思います。ホント、頼むよ、テレ朝の中の人。

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2008年3月13日 (木)

[マスコミ] テレビ番組とネットの融合

 ニコニコ動画を運営しているニワンゴの母体ドワンゴが、各放送局に対して「番組は削除しますよ」との通知を行いました(PDF)。

 それとは直接関係ないのですが……。

 今日は完全に暴論です。

 テレビ局がネットと融合するための最も手っ取り早い方法として個人的な提案として

番組内で常時CMを流す

のはいかがかと考えています。

 民放各局の最大の収入源は依然として広告収入です。このビジネスモデルを民放各局が抜本的に変えられない事情があるとすれば、CM を現在の60分間で約10分強だけとするのではなく、60分間フルフル使ってしまうという案です。つまり、スポーツ中継などでたまに行われているような、番組を放映している下部等の一部スペースで CM を放映する方法です。

 これによって、

  1. 単純に広告枠が増える→収入源の拡大につながる
  2. ネットで流用されたとしても、広告収入源であるCMも表示され、かえって広告枠の価値が高まる

以上のメリットがあるのではないかと考えています。

 繰り返しますが、テレビ局にとって最大の収入源が広告収入であり、かつ、視聴率=ネット・ビジネスで言うところのPVであるというのが現状であり、当面の将来も継続すると言うのであれば、「番組中常時CMを放送する」という案は上記に述べた2点より収入の増加につながるのではないかと思います。

 この案の最大のネックである視聴者の支持について言えば、現在、テレビのインチ競争は拡大の方向にあります。これまでなら確かに小スペースで CM を流しても見えないといった状況なのでしょうが、20インチオーバーで争っている現在のテレビのハードウェアとしての状況を考えれば、かなりの部分クリアになるのではないでしょうか。今時分14インチ以下のテレビで見ているような層は、そもそも購買力がないわけで、思い切って切り捨ててしまってもいいのではないでしょうか(ちなみに、僕自身は14インチのテレビを今も使っています)。

 以上は本当に乱暴な案だと僕自身思います。ただ。

 テレビ局としては上記の案ですべて解決するのではないかと思ってしまう背景として、そもそも著作権を盾に主張しているテレビ局の姿勢が、僕に二律背反な状況に陥っているのではないかと思えるからです。

 テレビ局が自社が放映したものをネットで公開されることに対してクレームを入れる根拠として著作権法上の権利を侵害しているというものがあります。法文上は確かにおっしゃるとおりです。

 しかし。

 著作権法は本来著作権者の権利を保護すること以前に、本質的な意味での創作者(クリエイター)の権利を保護することを目的にしていると僕は考えています。

 例えば小説であれば作家が著作権者であり、音楽であれば作詞者、作曲者、演奏者(歌手も含む)であるといった感じです。

 映画やテレビ番組の場合、この著作関係が複雑になるのは、脚本担当、撮影担当、音声担当、出演者等々多くの人が関わることにあります。著作権法上は、このような状態を想定して共同著作という考え方を想定しています。

 その上でなのですが、歌手やお笑い芸人が自身の出演したシーンを自分のブログで動画として紹介しすることに対してもテレビ局としてクレームを入れていることを見ると、テレビ局的には、本質的な意味でクリエイターの権利を守りたいのではなく、テレビ局自身の利益を守りたいだけなのではと邪推してしまうわけです。

 であるとするならば、「CMを番組本体でも流す」ことによって、テレビ局的な権利は守られていると思うのですが、いかがでしょう?

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